戦女神ZERO
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1.製品概要
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ブランド : エウシュリー
ジャンル : ファンタジーRPG
発売日 : 2008年6月13日
原画 : 鳩月つみき
シナリオ : 矢田影見,松江旺來
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2.主要キャラ
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■セリカ(・シルフィル)
本作の主人公.
飛燕剣はの威力は今回も健在.5×5の範囲攻撃ができるようになると,ザコはこれだけで押していける.
システム上,セリカの生存力はパーティーのそれに直結するので,飛燕剣の威力に舞い上がって防御面の強化を怠ると苦しむことになるので注意.
前作ほどではないにいしろ,保有スキル,装備可能武器が多いので戦闘面でのバリエーションは豊富だか,結局は飛燕剣一本で行くことになると思われるので,全スキルマスターを目指す人にとっては面倒が増えるだけである.
■ダルノス
典型的な前衛キャラ.
飛燕剣が使えるので,戦闘力はセリカと同レベル.
さらに序盤は他に前衛キャラが居ないので重宝するはずなのだが,しょっちゅう離脱するのであまり「使える」という印象は残らなかった.
カヤと違ってラストシーンであまり同情できなかったのは,普段の好戦的な描写と,ヒロインに手を出してしまったからか?
■カヤ
神官らしく治癒,再生,神聖を使う.
俺が姉好きなので,この人も最後まで参加して欲しかったが,終盤の面子を考えると薬箱になるしかないだろう.
■サティア・セイルーン
本作のヒロインなのだが,序盤で離脱してしまうので影が薄い.
保有スキル"治癒","強化"は貴重なので是非最後まで参戦して欲しかった.
セリカとの決戦イベントは,本作のみならず,戦女神シリーズを通しての山場だけあって大いに盛り上がった.
おかげで以降のストーリーはほとんど頭に入ってこない.
■パズモ・メネシス
武器は戦意低下を起こす投擲,スキルは神聖,戦意
非常に打たれ弱く,小まめに回復しないと簡単に昇天する(2週目の序盤でさえ戦闘不能になった).
サポート配置の効果も「10フレーム毎に戦意上昇」と微妙.せめて治癒,再生,強化のうち1つでも持っていてくれれば….
まぁ低コストユニットだししかたないか
幸いなことに戦意低下が有効,または属性が暗黒,不死系という敵が意外に多いので,
根気よく使っていれば稀にザコを蹴散らしたりする.
(俺はグラが気に入ったので愛で使い続けた)
■リ・クナティア
装備が戦士系なので回復ユニットらしくないが,貴重な治癒,再生持ち.
再生はともかく,他に治癒が使えるユニットがカヤとサティアだけなので,最後までスタメン確定という幸せな人.
序盤ではサティア,パズモらの脆さに泣くので,耐久力がそれなりにあるのが何よりうれしい.
専用スキルの"火炎"は,魔術スキルの中では性能は悪いので育てる必要は無いが,打撃力の方は下手な前衛キャラよりも優秀.
さらに連接剣の性能も高いので,攻撃面でも地味な活躍を見せる.
■アルビース
純粋,戦意,強化という割とスキルのラインナップが豪華な魔道士ユニット.
だが悲しいかな,その真価を発揮できないまま敵となって離脱してしまうだろう.
スポット参戦のキャラにしては特徴が無いのは男だからか?
■ペペル
今作の猫パンチ担当.
あんまり睡魔族らしくないデザイン(かといって毎回アレが出てきてもコピペだの判子だの言われるのだけど).
前衛ユニットとしての性能はイマイチ.
俺が猫パンチに魅力を感じないのと,耐久力が低いのがその理由.
特に後者は編成な面倒な召喚ユニットとしては痛い弱点.
スノラ等で耐久力と攻撃力を補えば,なんとかザコ相手に及第点の働きをする.
他の前衛ユニットに押されてのスタメン落ちは免れないだろう.
師匠同様,この人も売りが欲しかった.
■リタ
"一撃","冷却"と,それぞれ打撃,魔術系の優秀なスキルを持っている分基本性能が低い.
特に打撃関連の能力はリ・クナティアにすら劣るので,終盤レクシュミ,空の勇士らが参戦することを考えると,前衛ユニットとしては力不足を感じる.
要は劣化版アムドシアスである.
ただし加入時期が早い点と,"七大罪の魔槍"が他の武器と比べて格段に入手し易いのは大きな魅力
加入当初から丁寧に育てていけば,十分最後までスタメンを守り通せる.
■アムドシアス
スキルは非常に優秀.
専用スキルの"弓技"は命中率の補正が高く,威力も飛燕剣に迫る勢い.
さらに"純粋"は魔術スキル中トップを争うという鬼性能.
魔人の割りにはHPは特に高くない.
さらに下手に鎧を装備させると魔人属性が装備した鎧の属性で上書きされてしまうので,防御力の補強が効かない.
しかしこれら魔人故の弱点はナベリウス,空の勇士にも当然当てはまる上,他のユニットも防御面は総じて弱いので,寧ろ優秀な部類かもしれない.
攻守ともに十分スタメンの資格を持っている.
一番の弱点は加入期間の短さか.
■白銀公
今回のエルフ担当.
再生,強化持ちの完全な支援ユニット.
とみせかけて,実は"地脈"が非常に優秀,単純威力だけなら魔術スキルの中で最高であり,Aランクの「地脈の抗体」は味方全員に再生5,肉体抵抗5,精神抵抗5の効果.
コレがあれば再生はいらない.
今回,大半のユニットは召喚ユニットであり,戦闘不能になると「蘇生」が効かないので,再生スキルのうち,蘇生を使う機会がほとんど無いからだ.(仮に必要になってもアイテムで代用できる)
再生の代わりに治癒を持っていれば,リ・クナティアを抑えてスタメンを勝ち取っていただろう(終盤のさらに終盤限定の話だけど).
■ナベリウス
専用スキルの暗黒が威力,汎用性の点で純粋,神聖にやや劣るのが残念だが,魔力が圧倒的に高いので威力不足を感じさせない.
さらに最終局面は神聖系のザコが多い上,今作は魔術スキルが終盤でも通用するので攻撃面は最後まで当てにできる.
が,リタ,アムドシアスの両名が優秀な打撃スキルを持ちながら魔法攻撃もそれなりにこなしてしまうため,魔術オンリーではスタメンは厳しい.
HPは魔術師にしては高いのだが,例によって魔人属性のおかげで下手な鎧は装備させられないのでやっぱり防御に問題有り.
またコストが高いので,一度戦闘不能になると戦闘中の復帰が困難なのも痛い(特にセリカを打撃力優先で成長させた場合).
サポート効果の「敵の初期行動を遅らせる」が重宝するのも,スタメン落ちを助長している.
■空の勇士
専用スキル"竜技"が追加効果の分威力が控えめなので,"一撃","弓技"と比べてやや見劣りする.
そしてその差がそのままスタメンと予備との差になってしまうのが悲しい.
前衛ユニットに必要な基礎能力の成長度は他と比べて最も優秀.
スキルの差を基礎能力でカバーできるまで育つのが先か,一週目クリアが先か.
■レクシュミ
スキル"一撃"は大器晩成型なので,加入当初は力不足を感じるだろうが,鍛えれば見返りはある.
打撃専門ユニットだけあって,攻撃力,TP等の基礎能力の伸び率は空の勇士に次いで優秀.
さらに人間ユニットなので戦闘不能になっても蘇生が効き,セリカの行動を邪魔しない.
そういった面まで含めた上での戦闘能力はトップと言えるかもしれない.
猫耳担当?
■シャマーラ
単純な戦闘力は低い.戦闘面で活躍することはないだろう.
要の宝探し系のスキルも,必要になるころには離脱してしまう.
誰かさんのように中型剣を装備できるようになるのなら話は変わるけど.
もっと「カヤの生まれ変わり(面影を見てるだけ?)」を強調した方が話がドラマチックになったと思うのだけど.
■ハイシェラ
あっという間に離脱するので特に書くことは無い.
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3.システム
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魔術スキルの地位向上,武器の持ち替え簡略化,召喚の見直し,オート戦闘の充実等,確実に前回の反省点が生かされている.
ただ,前回ユーザーからの要望で追加パッチによって実装された「索敵のショートカット」を取り入れなかったのは,何か意図があるのだろうか?唯一改悪と思われる点である.
ボリュームの面で小さくまとめてきたという印象を受けるが,劣化ではなく抑えるべきところを抑えてきた感じ.
キャラ数は前回とあまり変わらないが,強力なユニットほど終盤に参加する傾向があるので,ほぼ全員に出番がある(というより使わざるを得ない).
その分戦闘参加ユニットを選ぶ楽しみは失われるのだが,こればかりは両立できないので仕方ないだろう.
相変わらず属性による補正が高いので,装備を工夫することで戦闘が非常に有利になる(逆に無頓着だと厳しい)という状況を作っているのはいいのだが,属性が多い上に直感的に分からない("炎>冷"等はともかく,"反万能>暗黒"等はイメージしにくい)ので面倒臭い.この辺も見直して欲しい
戦闘シーンにエフェクトが追加されたのは冥色の隷姫で培ったスキルだろうか?順調にコンシューマの域に近づいている気がする.
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4.ストーリー
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今回は特別にストーリーについても触れておく.
(普段書かないのは,エウシュリー作品においてはストーリーの良し悪しが作品の完成度に影響を与えない点と,ある程度の質を毎回確保してくれるので得に書くことが無いから.)
いい意味で裏切られた.
いつもは王道路線の無難なストーリ展開がお決まりだったので,正直ななめ読みで済ませていた.
こんな悲劇が書けるとは思っていなかった.ゴメンナサイ.
初代戦女神を書いていた頃から,セリカとアストライアの過去設定は決まっていたのだろうけど,無事お披露目できて良かったのではないか.
何せ10年以上温めていたことになるのだから.
こうなると今度は次回作が心配.引き出しを全て使いきってしまったのでは?
唯一不満な点ははED.エクリアを遠目に見るだけっていうのは寂しすぎる.
第一部をドラマチックに終わらせてくれた分,余計にEDのあっさり度が目についたのかも.
もっと「次回作買えってことかよ!」と突っ込みたくなるくらい今後のストーリーを期待させるような演出が欲しかった.いわゆる「俺達の冒険はまだ始まったばかりだ!」EDである.
その方が次回作の売り上げにつながるんじゃないだろうか.
セリカとアストライアの物語の最後にはハッピーエンドを用意して欲しい
(でもこのままのほうが話しとしては感動的だよね).
次回作はZEROと初代の間の時代が舞台で,幻燐シリーズとの融合が目玉って触れ込みということは,セリカとアストライアが(天国?でもいいので)再開するお話は,実現するとしても次々回以降(戦女神3とか)になるのか…
最近はアナスタシア系のソフトの発売も増えてるし,相当気長に待たないといけないんだろうなぁ
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5.総評
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やはり本業のRPGは強い.
最近の作品(アナスタシアを含めて)が迷走気味だった分,楽しめたというよりホッとしたファンも多いのではないだろうか?
もう寄り道しないで戦女神or幻燐シリーズだけ作ってよ.
システムの項でも書いたが,戦女神2からの進歩が目覚しいので次回作への期待が高まる.
ただ,今回の作品は根幹部分で戦女神2と何も変わっておらず,ある意味リメイク作品ともいえる.
次も同じ路線で作られると,さすがに飽きが来るような気もするので,なにか新しいシステムが欲しいというのは贅沢な注文だろうか?
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